スタッフブログStaffblog

2025/04/18

虫歯で歯がボロボロ…根管治療とインプラントの考え方

虫歯によって歯が崩壊してしまった場合「歯の機能を回復させる」ためには、次の2つのアプローチ方法があります。

①「根管治療」のあと「金属やセラミックなどの被せ物」を入れる

②「インプラント治療」

■根管治療(こんかんちりょう)とは

根管治療は、重度の虫歯などによって、歯の内部にある「歯髄(しずい)」と呼ばれる、神経や血管などが感染・炎症を起こしている場合におこなう治療です。

歯の神経や血管・細菌などを取り除き、歯の根っこ(根管)を丁寧に洗浄・消毒し、薬剤や充填材を詰めて密封します。

治療後は、上から金属やセラミックの被せ物をして、歯の機能を回復させ、症状の再発を防ぎます。 

■インプラント治療とは

一方、インプラント治療では、まず最初に歯を抜いてしまいます。

その後、顎骨にチタンでできた人工歯根(インプラント)を埋め込み、セラミックなどの人工歯を上部に装着して、歯の機能を回復させます。

■的確な診断で「歯を残す」「抜歯」を選択

当院では、虫歯で崩壊した歯に対して診断をおこない「根管治療で対応するか」あるいは「インプラント治療で対応するか」を選択します。

そして、患者様にどのような治療法があるのかを、何通りかご提示します。

その患者様にとって、より多くのメリットのある方法を選んでいただきますが、お口の中の状態や優先したいことなど、条件はお一人ずつ違います。

最終的には、患者様ご自身に納得のいく治療法を選択していただきたいと考えています。

■大事なのは「早く噛める状況を作ること」

治療を選択する場合、考え方の一つに「患者様の年齢」があります。

例えば、20代・30代の「1年」と、80代の「1年」では、意味合いが全く違ってきます。

若い世代であれば「根管治療後、経過を見る」といった時間的な余裕があります。

しかし、高齢の方にとっての1年は、生活の質や健康寿命を左右する、とても重要な時間になることもあります。

高齢の方ほど「噛めない」期間が長引くことがお口の機能の低下につながり、食事や会話など日常生活に与える影響も大きくなります。

■根管治療のメリットとデメリット

根管治療はご自身の歯を残すため「できるだけ自分の歯を長く使いたい」と考えている方にとって、メリットのある治療です。

しかし根管治療では、症状が再発する可能性があります。

・ 再び痛みや腫れが起きた
・ 歯茎から膿が出る
・ 違和感が続き、思ったように噛めない

このような場合、再根管治療(同じ治療をもう一度する)が必要です。その治療中は「しっかりと噛めない」のですから、大きなデメリットとなります。

■歯を失うと予想される場合

このような理由から、再根管治療をおこなってもダメージが大きく、近い将来、歯を失うことが予想される場合は、最初からインプラント治療もご提案します。

インプラント治療の方が治療期間が短いため、噛める状態をより早く取り戻せます。さらに高齢になっても歯の機能を保つことができます。

このような理由から、高齢の方ほど「しっかり噛める状態を、より早く取り戻すこと」を重視した治療が必要だと考えています。

■できるだけ早く、しっかり噛めるように

費用面を考えると、確かにインプラント治療は高額に感じられるかもしれません。

それでも「最後の手段」ではなく「できるだけ早く、しっかり噛めるようになる近道」として、インプラント治療も前向きにご検討いただければ幸いです。

■歯を「残す・ 抜く」に関する当院の考え方

当院では患者様お一人ずつに寄り添い、丁寧に診断をおこない、治療計画を立案します。

患者様によっては、将来に向けて歯の機能をより長く保つため、また治療期間の短縮化という観点から、インプラント治療が望ましい場合も少なくありません。

「インプラント治療をするか迷っている」という方は、まずはご相談だけでも構いません。お気軽にお問い合わせください。

<<